企業倒産

十勝管内の企業倒産が止まらない。今年1〜7月の累計で件数は35件と昨年を12件上回り、過去10年で最多のペースということである。負債総額は116億円で前年の3倍以上で、公共工事の入札制度改革や、原油高騰等仕入れ値の上昇、公共工事の減少や、個人消費の低迷が続くなかで光が見えない状況は当分続く状況である。

今までコスト削減などを目一杯やってきた結果の”息切れ”倒産が十勝で増えているという見方もある。井上力商店、弁慶総本店、帯広石油販売等地元での有力企業の倒産が続いている。釧路、根室、網走、北見等の道東地域は同じ傾向ではあるが、件数、負債総額ともに十勝が最多ということだ。倒産企業の傾向としては、商圏が十勝に限定されているなど狭く、広げる手段のない企業が多いとのことである。これも十勝モンロー主義と揶揄される十勝の特徴を表しているのかもしれない。
ただ、どの企業もすでにリストラなどの財務体質の改善は終えており、あとはいかにして増収を図るかという命綱の確保が課題だという。
従来は手形が不渡りになるなどで、先にうわさが広がるケースが多かったが、最近はぎりぎりまで踏ん張るせいか、気づいたら弁護士に駆け込み事業を停止しているというケースが増えているらしい。
帯広商工会議所では倒産防止緊急支援室を設置して雪崩現象を防ぐ構えだが、個人消費の低迷や農業の先行き不透明感など景気回復の兆しが見えない中で、倒産予備軍がまだまだあるような状況である。
そんな中で、経営者の万相談屋として少しでもお客様のお手伝いができれば幸いである。