近年の就労形態の多様化に伴って、給与所得か事業所得になるのか判然としないケースが増加しています。
従って、企業の支払う対価が給与になるか外注費になるかの判定をしっかり行う必要があります。
給与になるか外注費になるかによって、源泉所得税や消費税の金額も変わってきますし、また、一旦修正となると多額の納税に発展する場合がありますので特に注意が必要です。
昭和56年に最高裁でこれらの所得区分についての判断基準を示していますので、それが先例として今でも採用されているようです。
すなわち、給与所得とは給与支払者との関係において何らかの空間的、時間的な拘束を受けて継続的に労務の提供をすることが重視されます。
また、事業所得は自己の計算と危険において役務提供をすることが重視されます。
実務的には次の5点について確認する必要があります。
①代替性の有無:他人が代替して業務又は役務の提供が認められるか
②拘束性の有無:報酬の支払者から時間的拘束を受けるか
③指揮監督の有無:報酬の支払者から指揮監督を受けるか
④報酬請求権の有無:不可抗力等による場合の報酬請求権が認められるか
⑤材料又は用具等の共用の有無:必要な材料等の調達はどちらか
これらの観点を総合的に判断して区分していくことになります。