モクモクファーム

昨日、三重県にあるモクモクファームの講演会に行ってきた。とても面白かった。人口8000人の村に、年間50万人を呼ぶファームで、消費者と社員が感動を共有する企業経営を実践している。
売上36億円、従業員600名(うちパート400人)の規模である。夢のある農業を基本コンセプトに実にためになるお話であった。

若者たちが農業に夢をもてない原因のひとつは、価格決定権が農家にないことだという。単なる農協の下請けで、どんなによいものを作っても価格に反映できにくいシステムになっている。これではがんばっていいものを作ろうという気力がなくなってくるのもわかるような気がする。

モクモクファームは一人当たりの単価を3500円に設定している。最低限これぐらいの設定でなければ赤字になってしまうようである。従って、3500円を消費していただくように、3時間は滞留できるようなプログラムを組んでいる。たとえば、ソーセージ作成を体験させるときも、その場では真空パックにしてお土産にして、食事はレストランで取ってもらうような仕組みも作っている。

食文化にしても胃→舌→脳に変化してきている。つまり、単なる胃袋を満たすだけではなく、よりおいしいもの、そして次は物語性(これはどこそこのこういう食材)が重要になってきているようである。
これからの企業経営においては
1情報力 パブリシティ
2組織力 組織化
3企画力 心の経営
が必要なようだ。

モクモクファームの今年のキーワード
かきのたねらしい
1お→女(女性)
2か→体(健康)
3き→近況、環境
4の→のんびり(癒し)
5た→楽しい
6ね→年季の入った職人芸
7ら→ライフスタイル
8し→シルバー
9い→生きがい

やっぱり人間は生きがいのある人生を歩みたいんですよね。
熊本の水俣病の原因となったチッソが、汚染された魚を買い上げた話を聞きました。漁業者が取った魚を、穴を掘ってそこに埋めれば補償金としてお金を支払ったんですが、そのうち漁業者は「おれは何をやっているのだろう」と無力感に襲われたということです。
やはり、他人に喜ばれて初めて生きがいというのは沸いてくるものなんだなあと感じた。