東西の違い

東日本大震災により一時首都圏は計画停電に見舞われて大混乱だった。
こういう時は西日本の電気を回してもらえばいいのかなと単純に考えていたが、どうもそう簡単ではないようだ。
なぜなら、東日本と西日本では電気の周波数が違うのと、変換が簡単にはできないとのことである。
家庭の電気は1秒間に何十回もプラスとマイナスが入れ替わっており、この回数をヘルツという単位で表したのが周波数で、東日本は50ヘルツ、西日本は60ヘルツ。
世界のほとんど国では周波数が統一されていて、アメリカは60ヘルツ、ヨーロッパはおおむね50ヘルツだそうだ。

なぜ、日本で周波数がバラバラになったかというと、電気を使い始めた明治時代にさかのぼるということだ。
東日本の電力会社はドイツ製の発電機を輸入し、西日本はアメリカ製を使ったのが今に続いているとのこと。
数十年前までは、冷蔵庫や洗濯機も東西どちらかでしか使えないものがあったが、今は東西どちらの周波数にも対応しているので不便は感じません。
しかし、産業用の場合は事情が異なるようで、東西どちらかでしか使えないものが多いとのこと。それでは、両地域をまたぐ東海道新幹線はどうかというと、西日本の60ヘルツに統一しているようです。

どちらかの周波数に統一すればよいのではとも思うが、その場合は巨額の費用がかかり、また、産業用機械も使用できないものが出てくるため二の足を踏んでいるのが実情のようです。

東西の地域差は、電気だけでなく、ほかにもたとえばICカードのチャージにも違いがあるようです。
通常は乗車前にチャージする前払い式が多いのに対し、関西のそれは後払い式が多いようです。
実際に乗ってもいないのに料金を払う仕組みでは満足してもらえないと考えたようです。
やはり関西人はお金に関してシビアなのかも知れません。これは、トイレットペーパーの売れ筋にもあらわれており、東日本はダブルが7割に対し、西日本はシングルが6割だそうです。

エスカレーターにしても、関東は右空けで左側に並びますが、関西は逆に左空けです。これは、大阪万博の時に外国人観光客が戸惑わないようにと左空けにしたそうです。本来であれば、交通法規と一緒になるはずのものが、大阪ではそれ根付いたようです。

地域の慣習に思いをはせるのも一考かもしれませんね。