おくりびとを観て

先日、遅ればせながら「おくりびと」を足寄町ホールで観覧させていただいた。
一見地味で触れがたいイメージのある「納棺師」をテーマにした映画であるが、ユーモアを絶妙に散りばめて、「愛すること」、「生きること」を紡ぎだす異色の感動作に仕上がっているという感想を持った。
ひょんなことから納棺師になる主人公の大吾が、人生に迷いながらも成長していく新人納棺師。
現代に生きる日本人の等身大の姿をコミカルかつ繊細に演じる大吾こと、モックン。
そして、大吾の妻、美香を演じるのは広末涼子。夫の仕事に嫌悪感を抱きながらも、やがて彼を理解し尊敬していく妻を透明感あふれる自然体の演技で演じ切る姿はとても魅力的だった。
 人はだれでも、いつか「おくりびと」「おくられびと」。自分は大切な人をどうおくるか。そして、どうおくられたいか。死というすべての人に普遍的なテーマを通じて、夫婦の愛、わが子への無償の愛、父、母、肉親への想い、友情や仕事への姿勢を描き出すさまみごととしか言いようがない。
観る者に笑いと涙、そして大きな感動を与えてくれる映画で、アカデミー外国映画賞を受賞したことも納得である。
 また、会話の中で帯広の地名が2回出てくることも身近に感じる所以でしょうか。
普通の映画館のホールのようなしっかりした椅子ではなくて、パイプ椅子での2時間の鑑賞であったが、おしりの痛いのが感じないぐらいに映画に引き込まれてしまった。