音楽と癒し


音楽療法という言葉を聴いたことがあると思います。
いい音楽を聴くと心がやすらぎます。なぜでしょうか?
その秘密は「ゆらぎ」にあるようです。
音には、高くなったり、低くなったり、大きくなったり、小さくなったりと、一定ではない「ゆらぎ」というものがあるそうです。「ゆらぎ」に含まれる波動をfという記号(周波数)であらわすと、1/fというゆらぎが生体リズムや自然界にあるといいます。たとえば人の心臓の鼓動とか、川のせせらぎとか、虫の声、クラシック音楽、般若心経などにも1/fのゆらぎがあるといいます。これらが共鳴すると美しいと感じなごませてくれるようです。
また、リラックスしているときの脳波はα波が出ているといわれます。1/fのゆらぎとα波の相関関係は必ずしもはっきりわかっているわけではないようですが、α波がやすらぎの一つの指標になっているようです。脳波の通常の状態はβ波であり、怒っているときや興奮しているときはγ波、寝ているときはθ波またはδ波が出ているといわれますが、できればα波の状態を持続していたいものです。
音楽を聴いてα波状態にするとストレスも解消されて、いい発想も浮かんでくる率が高いとも言われています。また、胎教にも良いらしく、母親の情緒を安定させるためにもとてもいいらしいです。ちなみに「赤ちゃんをいつもように抱いてください」というとたいていの人が、左に赤ちゃんの頭を持ってくるようです。これは、母親の心音も1/fのゆらぎで、これを聞くと赤ちゃんが安心するからだそうです。母親は経験的に1/fのゆらぎを実践していたんですね。
次に、老人の認知症にも効果があるらしく、例えば誰とも話をしないうちに淋しさなどから認知症にかかる人が多いそうですが、老人ホームで音楽療法を使ったところ、それまで無口だった老人が自分の知っている曲を聴いているうちに緊張がほぐれておしゃべりをするようになったという報告もあります。
また、例えば、ワインやお酒に音楽を聴かせたりとか、水にありがとう言ったところ水がおいしくなったりとか、牛に音楽を聴かせると乳量が2〜3%増加したとか、植物にモーツアルトを聴かせると収量が多くなったりとかこれらの事例は枚挙にいとまがありません。
先日阿久悠さんが亡くなられて、追悼番組を観る機会がありましたが、中学高校大学時代の曲を聴くと不思議とそのころの思いがこみ上げてきて、その時代にタイムスリップした気分を味わうことができましたが、これも音楽の不思議な力だな〜とも思います。
現代社会はストレス社会だとも言われていますが、音楽とも上手につきあって人生を楽しみたいなと考えています。